緑とメダカ

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「風浪宮」で行われる「裸ん行 はだかんぎょう」福岡県大川市に参加 神様は試練を与えたがる【体験記】

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2016年も終わりに近づいた頃、思ったように行動出来なかった自分の反省と2017年には、やりたい事、気になっている事によりチャレンジしようと意気込んでいた。

そんな気持ちを胸に出身地元の神社「風浪宮」に初詣に行った時のこと。

まーだいたい毎年来ているので変わらない風景に安心しつつお参りを終え帰るわけだが、いつもだったら目にも付かないポスターの前で立ち止まった。

 

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風浪宮大祭「裸ん行」邪気退散

おそらく「裸の行い」っていう意味だと思うが言葉が訛っているのだろう。

この時の僕はやたら行動が早く気になってすぐに神社にいる方を見つけては詳細を聞いてみる事にした。

 

聞いた話の内容をまとめると、

裸ん行は17世紀後半に始まったとされる無病息災や家内安全を祈る伝統行事であり、大川市向島(むかえじま)の若津神社(わかつじんじゃ)から締め込み姿で手には、たいまつを持ち午後7時半に出発。風浪宮を目指し約3キロの道のりを「わっしょい、わっしょい」の掛け声と共に走る。

日時は風浪宮のお祭りがあっている期間の2月10日との事だった。

いやまて、これはもしかしたら2017年新たな年の幕開けのチャレンジとしては絶好の機会なんじゃないか。

2016年に邪気があったのかは知らないがこの際「裸ん行」で邪気退散とか気持ちが良いじゃないか!やるせない気持ちなんか一発で吹き飛ぶ破壊力があるぞ。

いや、朝寒さで起きる事も出来ない奴にはレベルが高すぎだろっ

ポスター見れば締込み姿の男達が裸で走ってるじゃないかっ。2月10日なんて1年の中でトップクラスに寒い日だぜー!?

そんな葛藤している僕の気持ちとは裏腹に神社のオバちゃんは笑顔で優しく説明してくれた。

参加用紙をFAXで送れば申請は大丈夫との事だったのでオバちゃんには一旦考えます。と伝えて参加の詳細と参加用紙を2部づつ貰い神社を後にする。

 

参加メンバー招集

神社で説明してくれたオバちゃんからゲットした参加用紙は2部。これは記入ミスの予備ではなく友人達を誘って参加すれば心強いと思ったからだ。

海外旅行にも1人で行くような1人行動が好きな僕だが今回の「裸ん行」には友人を誘いたかった。

心強さはもちろんだが友人を誘う事により、寸前になって参加しないというドタキャン、後戻りをしない為だ。

皆んなが参加の中、寒さに耐えれず参加しないというのはカッコ悪いだけじゃなく負け犬という肩書きまで付いてしまう。

ここまで自分を追い込めば嫌でも参加するだろう。

ってかそこまでして参加する必要がそもそもあるのか?

そういう疑問が出てくるわけだがこの時点で僕自身は

 

「裸ん行に参加したい」

 

と、いう結論に達していた。

こういった古くから行われている伝統行事に参加する事は今まで無かったし純粋にやってみたいと思った。2017年の新たな幕開けにも気持ちが良い。

でもそれでも弱い自分が出てくる事があればケツを叩く事が出来ると思ったし、こんなイベント事は仲間と一緒に分かち合いたいものである。みんなと共に参加して一緒に達成できれば素敵ではないかっ。

そんな素敵な話を胸に、仲の良い友人達で形成されたLINEグループに早速メッセージを入れる事にした。

「皆さん、突然ですが2月10日に行われる「裸ん行」に参加しよう!締込み姿で駆け抜けて邪気退散しようぜ!」

 

あー、おっさん達が走るやつねっ 

寒いしっ、パス 笑

金曜日?俺仕事

逆にまたなんであんなのに出る?

参加して楽しかったら来年誘ってー

俺小学生の時に親から参加させられた、もう出ない 笑

 

まーこんなネガティヴコメントが返ってくるわけだ。でもこの返しは想定内。1年前に僕自身が誘われてれば同じような返しをしてただろう。

人間、自分に何かメリットがなければ動かない。しかもそれが過酷な事であればなおさらだ。こんなネガティヴコメントがLINEグループに表示されてれば参加したいなと思っても手を上げづらいはず。

ここは個別に誘えば問題ない。参加してくれる可能性もグッと上がるはずだ。

だが、個別にメッセージや電話をするが反応は鈍い。

おそらく誰も参加はしてくれない雰囲気

よってこの時点で1人での参加がほぼ決定した。

 

ふふっ、神様はやたら試練を与えたがるな

 

初めての参加の僕を、まるでお前にはまだ早いと言わんばかりに心強い「仲間」を断ち切る。でも心配はない。

僕は友達を誘う大きな理由の1つに、寸前になってドタキャンをしない為。というのが大きかった。すでに今の時点で後戻りは出来ないくらい友達には個別に参加の想いを伝えているので、これで参加しなかったとなれば負け犬どころか信用すら失ってしまうかもしれない。

神様みててくれっ

神様が与える試練に打ち勝つ俺の走りを

そういった野望を胸に参加用紙には僕1人の名前を記入。締め切り最終日にFAXしたのであった。

 

時は本番1週間前

時はすぎいよいよ裸ん行の日も近づいてきた。でも僕の気持ちは落ち着いていて本番を前になんだかウキウキしていた。

実は職場の人に裸ん行の事を話したり、友達には断られたが1人で参加するんですよねー、なんて事を言ってたんだが

 

ガッツあるやんっ

伝統行事に参加するとかカッコイイね

締込み姿とか男らしい

撮った写真見せてね!

 

なんて事を言われてまったく悪い気がしないどころかむしろ気分が良かった。

これは締込み姿が少しでもカッコよく見えるように体も鍛えておかないと、と思い筋トレを毎日欠かさずやり、食べ過ぎないよう食事にも気をつかっていた。

あと、風呂入る前にパンツ一丁で暖房が入っていない部屋で少し過ごしたり効果が出てるのかはわからないが多少の寒さ慣れにはなるだろうと「自主トレ」的な事をやって本番を待つ日々。

そんな日々を過ごし本番も残すところ1週間を切ったくらいに職場の人がなんだか嬉しそうな雰囲気で話してきた。

 

どうやら週末にかけて寒波が来るらしいよ

 

寒波!!? 

 

九州北部に寒気が流れて要は寒くなるって事だ。 ここ最近は大きく天気が崩れる事もなく気温が下がっても最低気温5、6度程度を推移していた。

 

ふふふっ、神様はさらに試練を与えるんだな

 

なんでもトントン拍子に上手くいっては面白くない。ゲームにしても敵が1発の攻撃で倒れれば面白さのかけらもないだろう。

ちょっと調子に乗り掛っていた僕の気持ちを良い方向へ正すために神様は遠回しに教えてくれたに違いない。

逆に神様に感謝を伝えてもいいくらいだ。

 

神様、調子に乗ってた僕に試練を与えてくれてありがとうございます。寒波って聞くとまるで激しい寒さが襲って来るようなイメージを想像していたのですが天気予報を見る限り気温がさらに3、4度ほど低くなるみたいですね。

この寒さに耐え心身共に健康を目指し本番は走り抜けたいと思います。

 

会社の人の嬉しそうな表情を横目に僕は神様に感謝をするのであった。 

 

 

本番当日の朝

いよいよ本番当日。待ちに待った日とも言うべきか、ここ最近は頭の中が「裸ん行」で結構占めていたので明日から考えないようになるかもと思うと多少寂しくもあるかな。

前日の夜は寒波の影響か確かにいつもよりも寒かった。毛布2枚と布団1枚で覆った体は問題なかったが、顔が異常に冷えてたので見当がつく。まー寒波だし今日は風も強く、一段と寒くなるのは予報で確認済みだ。

寒さなんて走ってれば問題ないさっ。すぐにとは言わないが徐々に温まって来るだろう。

走るといっても2時間、3時間走るわけではないし大丈夫。

よし、今日の裸ん行を楽しもう!

そう心の中で気合いを入れる。

昼ごはん前ではあるが気分も良いし僕は近くのカフェにでも行こうと準備を整えた。

 

そして、玄関を開ける

 

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神様、試練与えすぎじゃねー⁉︎

 

見渡す限り雪で真っ白になっているではないか。

道路を見れば車も法定速度以下でノロノロと雪で滑らないように進んでいる状況だ。

裸で走るというのになんて日にあたったもんだ。

九州から離れた場所に住んでる人からすると分からないかもしれないが、九州の北側に位置したここ福岡でも雪が積もる事は稀で、年に1度あるかないか。積もった日には交通機関も麻痺してしまい雪にはとんでもなく弱い地区だ。

そしてそんな環境で育っている地域の人々はもちろん寒さにも慣れていない。

これは大変な一日になりそうだ。そう考えると、うっすら笑いが出てしまう。

 

うん。 頑張ろう。。

 

 

いよいよ本番

夕方5時くらいまでは雪が降っていたが本番前にはやんでいた。だが寒さは半端ない。おそらくだが2度、3度くらいだろう。風も強くとても冷たい。

アウター着てしっかり防寒しても、

「今日は寒いね。もっと中着てくれば良かったー」

って、言うくらいの寒さだろう。

そんな寒さの中で裸になるわけだ。

この中で裸になるとはあまり考えたくないが裸にならなきゃ始まらない。

 

おー、なんて行事に参加してしまったんだっ。

友達もいない中1人で参加だし心も完全に冷えきっている。

初詣でポスターを見なければ参加しなかっただろうに。

後悔まで出てきている。

そして裸ん行の出発の地、若津神社に到着。室内で締め込み姿に着替えると一気に体が冷えてくる。室内で待ちの時間だけでも寒さを感じる。

そして出発時間が近くなり外に出る。

 

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うわーめちゃくちゃ寒いっ

寒さしのぎに各所に火を囲っているが風が冷たくブルブルと震える。

こんな真冬に外で裸になる事自体が今までなかったし、この寒さに耐えて走り抜ける事ははたして出来るのだろうか。

途中でリタイアしてしまいそうだ。

そんな僕の気持ちと裏腹に、周りを見渡すと元気が良いグループなんかもいて組体操のピラミッドなんかやっている。

 

ほんと元気がいいもんだっ。

 

でも本来こういう行事は彼らみたいに楽しむものだろう。

今の僕みたいに寒さに負けてやらなきゃ良かったなんて思ってる奴に風浪宮の神様はどう思うだろうか。

僕が神様だったらそんな気持ちになって欲しくないし、そもそも大事な行事にそんな奴に参加して欲しくない。

僕自身大げさに言えば

「自分を変えるため」

そう考えて1人でも参加する決意をしたわけだ。

今の僕は変わるどころか全否定している。

 

大切な行事なのに神様ごめんなさい。 

自由参加の裸ん行なのに自分から参加しといて文句を言うなんて。

精一杯走らせてもらいます。

 

走る前に自分の立ち位置に気付けて良かった。そのまま走ってれば大きく後悔していただろう。

そして出発時間の19時半。

  

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気持ちを入れ変え用意していた松明に火をつける。

おー、火がつくと凄く暖かい。この松明があれば気持ちよく走れそうだ。

わっしょいの掛け声にも熱が入る。

「わっしょい! わっしょい!」

気合が入ってくる。このまま若津神社を出て風浪宮を目指す。

 

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道に出ると沢山の人達が僕らを応援してくれる。まるで自分が聖火ランナーになった気分で応援が凄く気持ちい。締め込み姿で松明を持っているので見渡すと幻想的に映るし、これが伝統文化だ。

僕もその一員として参加していると思うと更に気合が入る。

体感では半分くらいの距離だろうか、僕が持っていた松明は元気が無くいつ消えてもおかしくない状況になっていた。

 

これ、着く前に消えるんじゃないだろうか

 

周りを見ると始めより威力が落ちているものの立派に皆んな火がついている。
しかも火が弱くなるにつれて徐々に寒さも増してきた。

 

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と、思ってたらいきなりボキッと火が付いている付け根から折れてしまった!

おっと、これは危ないっ。

隣で走ってた人が、その松明は捨てた方がいいと言ってくれたので歩道の脇に松明を置きすてた。

松明を失った僕はこの後急激に体が冷えてきた。唯一体を温める方法は「わっしょい」という掛け声を大きな声で言う位だろう。今まで以上に大きな声で叫ぶ。足の指先も凍ったかのように固まっている。走るスピードも信号があり、時折歩くので走って体を温めるというのは難しい。

唯一の心の支えは観客の方の応援だ。これで最後まで乗り切るしかない。

松明を失った男は叫びながらゴールを目指した。

 

そして風浪宮に到着 

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寒さに耐え抜いて風浪宮にたどり着く事ができた。多少のアクシデントはあったが最後まで来流ことができた。知らない人ばかりだが一体感が生まれる。中央にステージがありそこにお酒が運び込まれる。

 

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無事にステージにお酒が上げられる。伝統行事もクライマックスを迎える。みんなで頭を下げて神社へお祈り。風浪宮の方の挨拶、大川市長の挨拶を終える。

 

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最後にお酒を開けて無事終了となった。

終了後は豚汁などが用意されていたので遠慮なく頂く。達成した後なので、これがまたすごく美味しく感じる。一杯だけじゃ満たされずおかわりまで頂いた。

 

裸ん行を終えて

今回の裸ん行に参加するにあたって色々な試練があったが参加できて本当に良かったと思う。

きっかけは小さなものだったが行動に移すことができた。仲間がいないぶん寂しく感じたが無事走り抜ける事ができたし今年のスタートにはインパクトが強い。今年はこの勢いで、今まで以上に良い年にしたいと思う。

 

そしてまた来年参加したい

 

風浪宮は写真にもまとめている記事があるので参考にしてください 

www.kfuji.com

 

風浪宮とは

一八〇〇年の歴史を刻む風浪宮

当宮は、御鎮座一八〇〇年(平成十三年秋)を数える由緒と「おふろうさん」の名で、皆様に広く親しまれているお社です。境内には、弥生時代の人々が生活した証としての貝塚や、初代神主磯良丸塚(支石墓)があり、金印発掘地で知られる玄海の志賀海神社(宮司阿曇姓)と対比されます。
有明海における海洋民族の根拠地でもありました。平安時代初期の天慶七年には、東社西社の二つのお社を持つという格式を備え、江戸時代には海上守護の神として大阪廻舟問屋衆をはじめとした信仰や、更には勝運の神として久留米藩主をはじめ国司賢将の厚い庇護を受け、今日に至っている。
現在も年に一度の二月の大祭では江戸期寛文年間には始まっていたとされる神幸(市内巡幸)が行われ、裸ん行や流鏑馬神事など筑後三大祭として毎年多くの善男善女の参拝で賑わっている。